芸人

一般人が知らないM-1得点の仕組み!100点が出ない理由を知ってますか?

にゃん吉
にゃん吉
M-1なんかで審査員がそれぞれ何点!何点!て点数つけるけど、もちろん適当につけている訳なくて、そこには列記とした根拠がある訳なんだ。そして100点はほぼ見る事ないけどその理由を解説するよ

審査員もまた真剣勝負

ミルクボーイの本当の点数は、700点満点中699点!?

2019年M-1決勝。お笑いショーレース最高の舞台。

審査員もまたお笑いのプロ中のプロの更にトップのみが務めれる役柄であり、自分がつける僅か1点が芸人の人生を左右する可能性がある事は審査員全員が誰よりも理解している。

細かな技術、演技力、完成度などは、かまいたちや和牛の方が上かもしれない。M-1の後日にラジオ等で各々審査員達は、そういった発言をしているが、はい!どれが一番面白かったですか?点数をどうぞ!という中で、お笑い神7(審査員)はミルクボーイに全員が各々の最高得点をつけた。

巨人 立川 富澤 中川 松本 上沼
97 99 97 97 96 97 98

こう見ても圧倒的に高得点なのは分かるが、100点は1つもない。

だが、これはある事情によるもので、もしその事情を気にしなくていいとするならば、本来の得点。実は・・・

巨人 立川 富澤 中川 松本 上沼
100 100 100 100 99 100 100

こうだったかもしれない!? まさにぐうの音も出ない最高得点、最高王者である。

その理由を説明していこう。

※中川礼二はあー見えて漫才にとても厳しい目線を持っていて、恐らく礼二の中で100点の漫才とは存在しないものなのではないかと思う※

初のM-1、2001年おぎやはぎの点数。今では考えられない評価点が出まくっていた。

知ってた?M-1評点の基本

最初に審査員の仕事とは何なのか?

それは一言でいうなら「点数に差をつける事」で順位に優劣をつける事だ。

その為にまず審査員は自分の中で基準点を決めている。これは皆85点位で、そこから自分の審査眼に合わせて厳密にプラス・マイナスし点数を決めていく。

細かく言えば、オール巨人師匠はトップバッターの組には(トップは不利なので)基準点に+2してると公言していたり、特定の点数にある基準を持っている審査員もいる。例えば自分の中で95点はあの舞台でのあのコンビのあのネタ級。あれと同じくらい笑えれば95点!などだ。

では、100点とは審査員にとって何を意味するのか?

1点差でも命運分かれてしまう舞台。同じ芸人として審査員も覚悟を持って採点している

M-1史上、唯一の100点のネタ

M-1史上、各審査員がつけた最高得点は、
2009年に島田紳助が笑い飯の伝説のネタ「鳥人」につけた100点。満点だ。

これが歴代唯一であり、恐らくは今後もそうそう出ないと思われる。
それは「鳥人」を超えるネタはない!という事ではない。100点をつける事がとても難しい審査員独自の事情があるのだ。

笑い飯の伝説の漫才「鳥人」「奈良歴史民俗博物館」はヤバイ

この100点という数字。あってない点数のようなもので、いかに面白くとも本来出る数字ではない。100点満点中の100点というものは単独ライブなどの各々単品のみの審査ならいざしらず、M-1のようなショーレースにおいて審査員は次のコンビの審査が控えている。
この時の笑い飯の出番は5番目であり、あと4組が控えていた。
そんな状況で100点の審査の後のコンビがもし100点を超える内容だった場合、点に差をつける事が出来なくなる為、自分の中では100点!だと思っても最高でも99点とつけるしかない。

島田紳助も

「100点つけたら困るから100点つけたらアカンと思たんですよ。上沼さんも100点の気持ちやと思うんです。(上沼は98点)僕も98にしようかと思たんですよ。後困るから。でも困ってもええわってくらい感動しました」
とコメントいる。

審査とは点数に差をつける事が仕事である。故にそれ以上差をつける事が出来なくなる満点は非常につけづらいのだ。

つまり今後、可能性があるとすれば最終出番でとてつもなく面白い漫才を披露した場合のみだろう。

M-1史上唯一の100点。これをつけれる紳助も凄い

なぜ島田紳助は100点をつける事が出来たのか?

満点をつける事が出来たのは、島田紳助こそがM-1を立ち上げた発起人であり、M-1大会委員長であった為だと思われる。

例えば松本人志であったり上沼恵美子であったり別の芸人が発起人で他の審査員同様、島田紳助は審査員をお願いされた立場であれば、100点をつけてはいなかったかもしれない。

100点つけた後に101点以上のコンビが出た場合、それは審査員として成立しなくなってしまう。極端な話、番組を潰す事になりかねない。少なからず審査員達にその意識がある以上そういった兼ね合いを唯一破れるのは番組トップの紳助のみだったであろう。

自身の性格もあり、自身が番組の設立者でありトップであり、自他共に認める漫才への絶対的な評価眼を持つ島田紳助だからこそ出来た評価点なのである。

こういった事情で100点は本来出ないと考えた方がいい。つまり審査員が時折つける99点や98点という点数は「うーん、あと一歩で100点」という事ではなく、その審査員の中ではもうほぼ100点をつけているといっても過言ではない。

2019年ミルクボーイに99点を付けたナイツ塙は「100点に近い99点」とコメントしているのはこういった事情の象徴といえる。

まとめ

かつてダウンタウン松本人志は自身のラジオにて、

「あの女。何点?とか言うやん?で、100点とか言わへんやろ?どんな良くても98点くらいかな~?とか言うて、100点てないやん。たぶん一生100点の女とかおらんと思うねん。でも、一生出らんのなら100点の基準が間違うてたのかもしれへん。100点てよー分からんくならへん?」

と漫才とはまったく関係ない女性の話題で、100点とは何かについて語っていた。